小岩駅スグの糖尿病外来・内科|江戸川区西小岩のクリニックです。

 糖尿病の病態は、主に私たちの主食に含まれる炭水化物(でんぷん)が分解されてできるブドウ糖の利用がうまくいかなくなった状態です。ブドウ糖の利用において、大切な作用をもつ、膵臓から分泌されるインスリンという物質の効果が弱くなった場合に、血液中のブドウ糖の濃度(これを血糖値といいます)が上昇します。血糖値が概ね180mg/dLを超えると、尿のなかにブドウ糖が排出されるようになり、これが水分を体の外にひくために、脱水傾向になります。このため、のどの渇き、多飲、多尿といった症状が現れます。長期的に高血糖の状態が持続すると、血管(動脈)が硬くなり、血液の流れが悪くなったり、詰まったりして、脳梗塞や心筋梗塞、足の壊疽などをきたすリスクが高くなります。また、糖尿病特有の合併症として、神経障害(手足の異常感覚、たちくらみなど)、網膜症(眼底出血など)、腎症(蛋白尿や腎臓の機能低下など)があります。糖尿病の治療目標は、これらの合併症を予防し、悪化を防ぐことにあります。
 
 
 糖尿病は他の多くの疾患と違って、他の人がみてわかるような病気ではありません。また、血糖値のコントロールがよい状態では、自覚症状がない場合もあります。それゆえ、糖尿病の治療が中断されてしまったために、残念ながら、これらの合併症が発症してしまったケースを、これまで少なからずみてきました。
 
 

 当院では、こうした糖尿病という病気の特性を良く理解したうえで、食事療法、運動療法、薬物療法といった多角的な視点から、各専門のスタッフが治療にあたってまいります。以前、信州で仕事をしていたとき、ある高齢の患者さんから、「糖尿病というのは一病息災、と理解したらいいかね」、といわれたことがあります。糖尿病という全身に影響がある疾患があるために、自分の体に目をむけることで、息災にいたる、という意味でしょうが、大変すばらしい言葉だと思い、印象に残っています。糖尿病には、定型的な治療はありません。患者さんの病態、ライフスタイル、価値観、生活環境、いろいろことを考慮しなければなりません。その上で、食事、運動量、内服薬・インスリン注射の内容を検討していく必要があります。洋服でいったら、オーダーメード、といったところでしょうか。私たちスタッフは、糖尿病を中心とした生活習慣病の治療をとおして、患者さんのお役にたてれば、と心から願っております。