小岩駅スグの糖尿病外来・内科・脳神経外科|江戸川区西小岩のクリニックです。


毎週火曜日 14時~17時 脳神経外科の診療を開始いたしました。
石川 眞実 医師
診察は予約制です。
事前にお電話にて予約をとってください。

 

 

 

脳神経外科医 石川 眞実 (いしかわ まみ)

診療予定 火曜日 14時―17時

他の曜日は江戸川病院で、脳神経外科の手術・病棟・外来で診療を行っております。

脳の病気が疑われる症状は、
1、左右どちらかの手、足の力が入りにくい。
2、食事をすると顔の痛みがでる、食べ物が口の片側からもれる、目が開きにくい、物が二重に見え片目をつぶると一つになる、物が見えにくくなったが眼科では目に問題ないと言われた。などの顔に関係する症状。
3、朝から頭痛がして嘔気があって食欲がない。肩凝りや首の凝りもなく、症状が出る前はなんともなかった。腹痛や下痢、発熱などの症状はない。

メディカルプラザ小岩駅には、MRI装置があり、脳の断面像や脳の血管画像を撮影することができます。以前にMRI検査を行って、何か異常を指摘されたことがあったり、上記症状がでたことがある方は、精密なMR検査が必要です。今の脳や血管の状態を把握して、脳の病気の早期発見と、脳の病気の予防が大切です。脳の病気で後遺症が残ると、車いすの生活になってしまったり、会話ができないなどの、日常生活に支障をきたしてしまいます。

脳神経外科外来

脳神経外科は、本来脳の手術を行う科ですが、当メディカルプラザでは、頭部MRI検査を行うことができ、脳の病気でも手術が必要かどうかをよく検討しながら検査や治療を進め、また、脳の病気の中でも、患者さんが多い脳卒中、中でも脳梗塞の予防について考えています。
脳梗塞の原因は、動脈硬化です。動脈硬化の原因は、糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙であり、食事や運動などの日常生活も関与してきます。上記1-3のような脳の病気が疑われる症状があれば、頭部MR検査は必要不可欠となりますが、動脈硬化が強ければ、脳や頚部血管を含むMR検査や、それによる脳への影響がないかどうかの検査は重要となります。脳梗塞になってしまい、手足が動かなくなってしまったり、言葉が話せなくなると、今まで通りの生活ができなくなってしまいます。脳梗塞は、一生のうちで、一度でもなりたくない病気です。
当メディカルプラザでは、脳梗塞の予防、早期発見、治療、手術までを患者さんの段階に応じて対応します。検査では、脳腫瘍、脳動脈瘤、脳出血のリスク、などの診断もでき、現時点での脳の病気の注意すべきところがわかります。脳動脈瘤は、日本人の100人に一人以上が持っていると言われております。また、脳腫瘍の頻度は低いですが、早期に治療すべき腫瘍や、経過観察が可能な腫瘍など、様々です。そういった脳疾患すべてに対応します。

外来担当の石川は、前勤務先の自治医大さいたま医療センターに8年半勤務いたしました。その間、脳ドック部長として、3000人以上の頭部MR検査の脳断面と脳血管をみてきました。症状のない受診者でも、白質病変、無症候性脳梗塞、症候性脳梗塞既往の方、脳血管の軽度狭窄から高度狭窄、脳動脈瘤も1-2mmの小さな動脈瘤から1cm以上の大きな動脈瘤の方、様々な疾患の方々に対応してまいりました。8年間の担当手術件数は、脳梗塞予防のための血管吻合や頸動脈内膜剥離術を約100件経験し、脳腫瘍は、悪性腫瘍と良性腫瘍を含め、300件、そのうち、ハイビジョン内視鏡を用いた鼻孔からの下垂体腫瘍手術も約100件の経験があります。顔がぴくつく顔面痙攣や顔が痛くなる三叉神経痛の手術は、ハイビジョン内視鏡と手術顕微鏡を併用した確実な神経減圧術を50件以上経験してきました。
多くの大学病院で、分業化が進み、脳腫瘍の良性と悪性、脳血管障害、脳機能外科と担当手術が分業されて一つの手術しかできなくなってきました。担当医、石川は、それぞれの治療に多くの知識と情報を得た上で、最良の手術をめざしてやってきました。実際の手術では、術中検査を追求しており、電気生理学的モニター(術中筋電図や脳波)、手術ナビゲーション、術中超音波モニター、術中蛍光画像モニター、ハイビジョン内視鏡手術など、安全確実を目指して、さまざまな最先端医療を取り入れてきました。
脳神経外科診療の本拠地江戸川病院では、すべての科で最先端医療を追求し、最高の医療の提供をめざしておりますが、関東には数台しかないトモテラピーという放射線治療装置が、3台あり、脳腫瘍の治療にも応用されてきました。さらに、今後、日本で2台めとなる中性子治療装置を導入し、その治療開始の準備を進めております。
現在の脳の診察治療で、わかることできること、いまの症状や検査結果で必要なこと、予防のために何が必要か、治療として何ができて何が必要か、さまざまな脳神経外科手術を知った上での、現状に対する最善の治療を個々の状態に合わせて考えて、メディカルプラザでの脳神経外科外来の診察を行います。

 

脳神経外科で診察する病気

脳の病気と思ったら、症状が片側か、両側かを確認しましょう。
脳から命令が出て手足を動かす時、左右反対側の手足に命令を出して、右の脳は左、左の脳は右の手足を動かします。脳の血管がつまる脳梗塞、脳の血管が切れる脳出血、また脳腫瘍があった場合、病気と反対側の症状が出るのが、脳の病気の特徴です。
言いたいことがわかっているのに言葉が出てこないために話せない、人の言うことばがわからないのは失語症で、右利きの人は左脳の障害です。ろれつが回らず、言葉がはっきりしないのは、言葉を出す時に使う筋肉の動きが悪いことが原因ですので、手足の半身麻痺はないか確認しましょう。

メディカルプラザ小岩駅・江戸川病院の脳神経外科では、
脳腫瘍(髄膜腫、聴神経腫瘍、下垂体腫瘍などの良性腫瘍、グリオーマ、転移性脳腫瘍などの悪性腫瘍)、脳卒中(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞などの脳血管障害)、機能的疾患(片側顔面痙攣や三叉神経痛)、頭部外傷(脳挫傷、脳震盪、外傷性くも膜下出血など)など、脳の病気やけが全般的に診察を行います。主な疾患に対する当科の検査、治療については下記の通りです。

以下に、脳神経外科で扱う疾患と手術などについて、記載いたしました。
下記1-3に相当する場合も受付いたします。セカンドオピニオンとしてもご説明いたします。
1、症状があって心配な場合、MRによる確定診断が必要な場合
2、診断されて、今後の病状や治療について聞きたい場合
3、手術について検討したい場合

脳神経外科手術の術中電気生理学的脳神経機能モニタリング

脳神経外科の手術は、脳腫瘍の手術でも脳動脈瘤の手術でも、術後の新しい神経症状の出現を最小限とし、手術後の日常生活は術前と同様にできるように、術前に運動麻痺などの症状が既に出現している場合は、少しでもその症状を改善できるように、術中電気生理学的モニタリングを工夫します。その方法として、
1)末梢神経を刺激して、頭皮上、脳表、神経上から反応を記録する。(誘発電位モニター)
2)神経や脳を直接刺激し、筋肉の動きを記録する。(筋電図モニター)
この2つがあります。当施設では、ほぼすべての脳神経のモニターを下記の通り、必要に応じて行えるようにしています。

1)
体性感覚誘発電位(SEP):知覚(感覚)のモニター
聴性脳幹反応(ABR):聴力のモニター
聴覚刺激聴神経誘発電位 (CNAP):聴力のモニター
視覚誘発電位(VEP):視力のモニター
嗅覚神経刺激誘発電位:嗅覚のモニター

2)
運動野直接刺激誘発筋電図:四肢の動きのモニター
顔面神経刺激誘発筋電図:顔面筋のモニター
外眼筋誘発筋電図:複視(物が二つにみえる)防止のモニター
瞬目反射:顔面の感覚と顔面筋のモニター
迷走神経刺激声帯誘発電位:声帯機能のモニター
副神経刺激僧帽筋誘発筋電図:首をひねったり肩を上げる筋のモニター
舌下神経刺激舌筋誘発筋電図:舌を動かす筋のモニター

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脳腫瘍

髄膜腫

脳を取り囲む硬膜から発生してくる良性腫瘍ですが、脳を圧迫するようになり頭痛・運動麻痺などの神経症状がでると、手術が必要となります。
腫瘍のできる場所により、手術の難しさがかわりますが、術中のナビゲーションや術中電気生理モニターを行いながら、術前に神経症状がある場合には、できるだけ軽減するように、また、術後新たな神経症状がでないように工夫をしながら手術を行っております。

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髄膜腫の特徴と治療:
髄膜腫は、脳を取り囲む硬膜、どこでも発生します。奥深い神経や血管に絡んだ部位にできるか、大脳の表面をとり囲む硬膜にできるかで、手術の難易度が変わります。腫瘍が大きくなってくると正常脳に脳浮腫が発生します。この浮腫が原因でも神経症状を出しますので、運動野近くの髄膜腫が運動野の脳浮腫をおこせば運動麻痺がでます。腫瘍が直接運動野を圧迫しても運動麻痺が出る可能性はあります。
大脳表面の硬膜から発生しても、運動野を圧迫したり脳浮腫によって運動麻痺が出現し、視覚野であれば視野障害が出現します。また、前頭葉の大きな腫瘍は、嗅覚障害や精神機能障害の原因となる可能性があります。
同様にして、脳深部に発生した脳腫瘍が、脳神経を圧迫して神経症状をだせば、視力視野障害、複視、顔面麻痺、聴力障害、嚥下障害、嗄声などの症状につながる可能性があります。
どこに発生する髄膜腫も、良性腫瘍であり、少しずつ増大するので、圧迫された脳や神経の症状はでにくく、腫瘍が5cm以上に増大してから神経症状をだして初めて診断される可能性があります。
腫瘍の部位や特徴をよく検討し、手術摘出が必要な髄膜腫は、手術中の運動機能モニターや脳神経モニターを行いながら、超音波画像を術中にとって術中画像モニターも施行て、手術を行います。脳や神経が腫瘍にとり囲まれた時は、良性腫瘍なので、無理に腫瘍を全摘出せずに神経や血管を損傷しないように、神経や血管に腫瘍をつけて少し残すことがあります。

下垂体腫瘍:

ハイビジョン内視鏡を用いて、両側鼻孔から手術を行います。ハイビジョンの内視鏡画像をみながら、下垂体腺腫であれば、被膜外切除といって、腫瘍周囲を剥離して全摘出を行います。必要に応じて、視神経や外眼筋モニターを行い、血管が近いことから、超音波内視鏡により、残存腫瘍の確認や、頸動脈の位置確認を行って腫瘍を安全確実に摘出します。髄液漏が生じた場合には、必要に応じて鼻中隔粘膜弁を作成してトルコ鞍底の形成を行い、髄液漏閉鎖を行います。
手術の適応は、①腫瘍の視神経圧迫による視力低下や視野障害が出現した場合、② 腫瘍による下垂体圧迫により下垂体機能不全症状が出現した場合(GH産生低下による小人症など)、③ ホルモン産生腫瘍により過剰に分泌されたホルモン症状が出現している場合(末端肥大症、クッシング病など)などです。
当施設では神経内視鏡を用いて腫瘍の境界をよく観察確認し、腫瘍を被膜ごと切除します。神経内視鏡の先端が30度や70度の角度がついたものに変更すると、海綿静脈洞側壁に癒着した腫瘍の摘出、頸動脈裏側の腫瘍の摘出、トルコ鞍外上方に進展した腫瘍など、確実に腫瘍を摘出できます。

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聴神経腫瘍:

聴神経腫瘍の特徴と治療

聴神経から良性腫瘍が発生します。聴力障害の精査で発見されることもく、バランスが悪くなって歩行障害が出現します。聴神経のすぐ近くにある顔面神経に摘出時の障害が加わると顔面麻痺になってしまうため、術中持続筋電図モニターを行い、術後の顔面麻痺がでないように腫瘍の摘出を行います。術前に聴力が残っている場合は、術中に聴神経モニターを行いながら、なるべく聴力も残るように腫瘍摘出を行います。
聴神経腫瘍は良性脳腫瘍のひとつで、内耳道という側頭骨内から発生して増大することが多い腫瘍です。聴神経には、音を聞くときに機能する蝸牛神経と平衡感覚に関係する前庭神経とがあり、通常前庭神経から発生しますが、初発症状は、聴力低下が多く、ふらつきなどの平衡機能障害も腫瘍の成長とともにみられてきます。腫瘍に顔面神経も圧迫されると、顔面神経麻痺がみられることがあります。顔面神経麻痺は、片側の顔の筋肉が動かなくなり、顔がゆがんでしまう症状です。
聴神経腫瘍は、耳の後ろの後頭蓋窩という後頭部の外側に発生します。良性腫瘍ですが増大すると、聴力障害、平衡機能障害、顔面神経麻痺のほかに、小脳や脳幹の圧迫症状が出現して生命にかかわってきますので、手術による腫瘍摘出が必要です。

術後症状を出さないための当院での聴神経腫瘍摘出術時の電気生理学的モニタリングは、以下の通りです。

1)顔面神経の位置の同定:腫瘍の一部を電気刺激して、顔面筋から筋電図反応を記録することで確認できます。刺激の強さと記録電位の大きさにより、刺激部位から顔面神経までの距離を推定します。

2)顔面神経機能の持続モニター:腫瘍よりも脳側で電気刺激をして、顔面筋から筋電図反応を記録します。腫瘍摘出中にこの反応を記録し、軽度の変化のみで、腫瘍が摘出できれば、顔面機能が保存されて手術が終了できることになります。顔面筋麻痺が術後に見られないようにするために、腫瘍の一部を残すこともあります。

3)腫瘍が小さくて、有効な聴力が残されている場合、聴性脳幹反応(ABR)といって、手術中にイヤホンから音を出して頭皮上からその反応を記録する方法を行います。この反応が低下しないように腫瘍摘出を行うことによって、聴力が残せる可能性がありますが、術前から聴力障害が強い場合はその回復は困難です。
術前の聴力が良好に残存している場合は、ABRや聴神経からの直接神経活動電位(CNAP)を測定し、手術中の聴神経機能モニターと蝸牛神経の同定をすることによって、聴力保存をめざします。

手術後は、めまい、ふらつき、嘔気嘔吐がある程度みられますが、次第に回復します。その程度や持続期間については個人差があります。腫瘍摘出中の小脳の圧迫と摘出による圧迫解除による症状です。

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グリオーマなどの悪性脳腫瘍:

脳の細胞は、主に神経細胞とグリア細胞です。このグリア細胞の腫瘍が悪性脳腫瘍の代表的なグリオーマです。脳のどの部分にも発生し、その発生した部分の脳は圧迫されて神経症状をだしますので、運動麻痺や失語症などで発症することがあります。しかし、腫瘍全体を手術で摘出すると、その中の機能している神経細胞も一緒に摘出されることになり、その神経細胞の機能が消失してしまいます。したがって、腫瘍はできるだけ多く摘出することが大切ですが、術後神経症状につながらない部分の摘出をすることが大切になります。
その術後後遺症が出ないように、当院では、電気生理学的モニターとして誘発電位や誘発筋電図の測定を行い、東芝の最新の超音波装置を用いて脳や腫瘍の部位や形状を、必要に応じて超音波専用造影剤も用いて、術中に腫瘍や周囲血管のモニターを行って安全に腫瘍摘出を行います。5ALAという蛍光薬剤も用いて、術中の腫瘍蛍光画像を参考に腫瘍摘出を行うことができます。
術後の化学療法は、腫瘍組織診断の結果により、最も効果がある薬剤の投与を施行いたします。それに加えて最近では、アバスチンという腫瘍浮腫の改善効果のある薬を患者さんに応じて使用します。早期から使用することで腫瘍血管の新生を抑えて腫瘍の成長を抑える効果も我々は実感しており、患者さんごとにもっとも適した有効な化学療法の検討が必要となります。
さらに放射線治療としては、当院特有のトモテラピーという悪性腫瘍専用の放射線治療を行って、治療効果を高めます。

転移性脳腫瘍:

体のどこかに癌ができて、それが脳に転移したのが転移性脳腫瘍です。腫瘍周囲の正常脳に浮腫が広がる特徴があり、正常脳に及んだ浮腫や、腫瘍そのものの脳圧迫によって運動麻痺などの神経症状が出ている場合には、ある程度大きくなった腫瘍本体を摘出することで、その神経症状が改善する可能性があります。

腫瘍本体へは、手術ナビゲーションによる腫瘍の位置確認だけでなく、東芝の最新超音波装置による術中のモニターを行い、手術中に随時正確に腫瘍の位置を確認して腫瘍摘出術を施行します。悪性グリオーマ同様に、当院特有のトモテラピーという悪性腫瘍専用の放射線治療を行って、治療効果を高めます。

脳卒中(脳血管障害)

くも膜下出血:
主な原因は、脳動脈瘤の破裂です。3DCTアンギオや脳血管撮影により術前診断を行い、脳動脈瘤クリッピング手術を行って、脳動脈瘤破裂の再発を予防します。未破裂脳動脈瘤が発見された場合にも、ご本人やご家族とよく相談して、破裂予防のクリッピング手術を検討しています。

くも膜下出血の原因と治療
くも膜下出血は、死亡する確率も高い怖い病気のひとつです。その原因は、脳動脈瘤の破裂によるものがほとんどで、動脈瘤からの再出血予防のために、動脈瘤にクリップをかける開頭手術を全身麻酔下で行います。脳神経機能モニターとして、運動誘発電位による筋電図モニターを行います。超音波ドップラーにより動脈瘤クリッピン後も主幹動脈や穿通枝の血流が保たれていることを確認します。
脳ドックなどで脳動脈瘤が発見され、くも膜下出血を発症していない患者さんも、1例ずつ検討して手術の最適な方法を検討しております。
また、動脈瘤が破裂して救急外来へ搬送されたくも膜下出血の患者さんも、発症後の状態に応じて、急性期の開頭クリッピング手術を必要に応じて行います。

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脳出血:

出血の大きさによっては、開頭血腫除去術や内視鏡による血腫除去術を施行します。出血部位、大きさ、その時の内服など、総合的に治療効果が得られる場合に、手術を行っております。出血の量が多く命にかかわる場合には、救命のための手術を行います。それほど出血量も多くない場合でも、血腫を除去することで機能の改善につながり、リハビリを早期に行え、廃用症候群を避けることができる場合には、手術を検討しています。

脳梗塞:

脳梗塞とは

脳梗塞の原因である動脈硬化により、脳血管がつまったり細くなると、脳への血流が低下して、半身麻痺や言語障害がおこり、脳梗塞となります。
動脈硬化の予防が脳梗塞発症の予防となります。内頚動脈など太い脳血管の狭窄や閉塞は、内科的治療を行いながら、手術治療を検討することになります。症状のない方のチェックは脳ドックなどでの頭部MRIやMRアンギオなどで脳血管などの検査を行い、糖尿病・高血圧・高脂血症などの危険因子のチェックを行います。主幹動脈の狭窄や閉塞の見られる場合に、脳神経外科を受診していただき検査の結果で、手術適応を検討しております。
前ぶれのない最初の発症が、半身麻痺などの後遺症を残す脳梗塞となり、リハビリなど最善の手を尽くしても社会復帰が難しいことも少なくありません。高血圧・糖尿病・高脂血症・喫煙など脳梗塞危険因子のある方は、食事や運動など生活習慣の改善と内服治療による脳梗塞の予防が必要です。

頚動脈内膜剥離術(CEA)

最近は、日本人の食事の欧米化に伴い、頚動脈の動脈硬化性病変が増加し、頚動脈狭窄症が脳梗塞の原因として注目されています。脳梗塞が軽症で落ち着いたり、脳梗塞の1歩手前の一過性の脳虚血症状のみで、その原因が頚動脈の狭窄の場合、脳梗塞の再発を予防で、その狭窄部の肥厚した内膜を剥離して取り除き、血管を太くして脳血流を確保するのが、頚動脈内膜剥離術です。
無症候性の頚動脈狭窄と診断された場合、頸動脈エコー検査によりプラークの性質を調べたり、3DCTアンギオ検査で狭窄率の正確な測定を行い、また、脳血流SPECT検査により、脳循環予備能を含め実際の脳血流低下の状態をみて、各個人の病態把握を行います。内科的治療に加えて、手術を行った方が脳梗塞予防効果が強い場合、外科的治療について検討します。内膜剥離術(CEA)を行うか、頸動脈ステント(CAS)を行うかは、症例毎のデータにより決定します。基本的には、脳卒中ガイドラインに沿って治療を行っております。

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浅側頭動脈―中大脳動脈吻合術

軽い脳梗塞(手や足の力が弱くなったが、リハビリで改善したり、日常生活が可能なレベルまで回復した場合)や一過性脳虚血発作(手や足が動かないとか力が弱いなどの症状が一時的に出て回復する場合)などで、その原因が、内頚動脈や中大脳動脈の閉塞や狭窄である場合、再発してしまうと重症脳梗塞となる可能性があり、血管吻合術により血流をふやして低下した脳循環予備能を回復させ、再発防止に努めます。
その場合、脳血流SPECTという検査で、脳血流が不足しているかどうか、つまり、再発しやすいかどうかを調べます。
この手術は、梗塞の再発予防の手術ですが、軽度の麻痺や、ぼっとしているなどの高次機能障害などが、血管吻合術後改善傾向を示すことがあります。

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もやもや病:

年齢と発症のタイプ(梗塞タイプ、出血タイプ、てんかん発症タイプ)により、直接血行再建術、間接血行再建術、両者の併用などの、外科的治療の必要性を検討しております。てんかん発作に対しては、抗けいれん薬の内服を行います。脳梗塞の症状がでたことがある場合には、脳血流を改善するために、直接的血行再建術(浅側頭動脈‐中大脳動脈吻合術)と間接的血行再建術(脳表に筋肉などの血流のよい組織が接するようにして、年月をかけて血管が新生してくるようにする手術)を検討します。出血タイプのもやもや病にも直接的血行再建術を行った方が、脳出血の再発を予防すると学会でも発表され、当院での治療も患者さんごとに最適な治療を検討しています。

機能的脳神経外科

片側顔面けいれん

顔面の片側にけいれんが生じる病気です。片側の目の周囲から始まって、年月をかけて、次第に口の方へ広がり、顔面半分に広がります。まれに、内服薬が効果ある患者さんもいますが、主な治療は、1)ボトックス注射を3-6か月に1回行ってゆく治療と、2)顔面神経を拍動性に刺激している頭蓋内の責任血管を移動させて、顔面神経の刺激を解除する手術があります。
頭部MRI検査や筋電図検査を行って確定診断いたします。

1)けいれんの特徴
左右のどちらか片側だけの顔面の筋肉がぴくぴくけいれんをおこす病気です。目の周囲からはじまり、数ヶ月から数年経過して、同じ側の口のまわりなど顔の下の方の筋肉へとひろがってゆきます。けいれんもひどくなると目を閉じてしまうようになり、車の運転などが危険になってしまうこともあります。緊張した時や、寝不足のときなどは、けいれんが増強する傾向が見られます。通常、左右どちらかにみられ両側にみられることはありません。

2)原因
頭蓋内の小脳橋角部というところで顔面神経を動脈が拍動性に圧迫刺激することによって、顔面神経が過敏になり、顔面の筋肉が無意識にぴくぴくと引きつれるように動いてしまう病気です。

3)診断
上述のけいれんの特徴に加えて、我々の施設では、誘発筋電図の検査を行っております。
筋電図検査による診断:目のまわりの筋肉を動かす神経を電気刺激しても正常者では、目のまわりの筋肉から筋電図反応が得られるだけですが、目のまわりの筋肉を動かす神経を刺激して、口の周りの筋肉からも異常な筋電図反応がみられるのが片側顔面けいれんの特徴です。また、顔面筋のF波という筋電図反応を記録していますが、片側顔面けいれんの患者さんでは、F波の亢進所見を認めます。筋電図検査は、筋肉全体の動きをみるために皿電極を顔に貼り付けて記録しますので、針を筋肉に刺す必要はなく、痛みの無い検査です。
また、画像検査では、MRIとMRアンギオ検査を行い、顔面神経を刺激している動脈を同定し、また、脳腫瘍や血管奇形などがこの病気に関与していないことを確認します。

4)手術治療
神経血管減圧術を行います。顔面けいれん側の耳の後ろ、約6-7cm皮膚を切開し、500円玉強の大きさの穴を頭蓋骨に開けます。そこから、脳神経外科手術用顕微鏡を使用して、テフロンにより顔面神経を圧迫している動脈を移動させ、動脈による顔面神経の圧迫を解除します。この減圧部分は、小脳の影になって、小脳を牽引しなければ見えにくい部分です。この圧迫血管と顔面神経の圧迫部位をハイビジョン内視鏡で確実に観察し、減圧プランを立て、確実安全な減圧を行います。また、内視鏡を用いてはじめて奥にある圧迫血管が発見されることもあり、手前の減圧のみでは治らない症例を経験しています。
手術中にも筋電図検査を行い、手術操作のめやすにしています。ほぼ全例で反応が低下してくるために手術中のモニターとして有用です。
この内視鏡による観察と筋電図モニター下に減圧することで、内視鏡導入以降顔面けいれんの術後の治癒率を100%に近づけております。
いままでの我々の経験から、術後すぐにけいれんが消失する人と少しずつけいれんが消失してゆく人と、ほぼ50%ずつに分かれます。その原因はわかっておりませんが、けいれんが見られても術前のけいれんと比べると軽いことが多く、次第にけいれんの程度や回数が減少し、いずれは消失します。この消失までの期間の平均値は約5ヶ月ですが、半数の患者さんは、1ヶ月くらいまでに消失します。
次に記載しましたボトックス治療の効果が悪い場合や反復注射治療をさけるために、ボトックス治療をやめて手術治療を受けることも可能です。
術後、まれに顔面麻痺を生ずることがあり、原因不明です。内服治療により、少しずつ回復してきます。

5)ボトックス治療
高齢者や全身合併症のために、全身麻酔や術後合併症のリスクが高く、神経血管減圧術が困難な場合、また、手術以外の治療を考えられる患者さんに対して、症状を少しでも軽減する目的でボトックス治療を行っております。薬が少ないとけいれんが消失する効果が少なく、薬が多いと軽い顔面筋麻痺となる危険はありますが、次第に注射の量を調整してゆくことで、けいれんを軽度の状態に安定させることができます。約3-6ヶ月でその効果が消失してきますので、再治療が必要となります。

三叉神経痛

:片側の顔面痛で、ものを食べたとき、顔を洗った時、歯を磨いたときなどに、顔面や口腔内に電撃痛、歯医者さんで虫歯の治療中に神経に触ってずきっとくる時の痛いです。治療は、1)テグレトールやリボトリールという内服薬と、2)三叉神経を拍動性に圧迫する正常の頭蓋内動脈を手術で異動させる治療とがあります。

三叉神経痛の特徴と治療
1) 痛みの特徴と診断、原因

片側の顔面痛で、ものを食べたとき、顔を洗った時、歯を磨いたときなどに、顔面や口腔内に電撃痛が走るのが特徴です。三叉神経が正常の頭蓋内動脈により拍動性に圧迫されることが原因です。痛みは左右どちらかにみられ両側にみられることは通常ありません。脳腫瘍が三叉神経痛の原因となることが、1%以下あると言われており、また、圧迫血管ではなく神経の癒着が原因のことも少数みられます。圧迫血管のない症例では、神経の癒着を剥がし、走行をまっすぐにして、ハイビジョン内視鏡で確認し、手術を終了します。

2) 手術治療
①手術は、神経血管減圧術を行います。顔面痛側の耳の後ろ、約6-7cm皮膚を切開し、500円玉強の大きさの穴を頭蓋骨に開けます。そこから、脳神経外科手術用顕微鏡を使用して、テフロン片により圧迫血管を移動させて三叉神経の圧迫を取り除きます。また、神経の癒着やよじれを可能な限り、解除します。

術中モニター:手術合併症として、聴神経が弱いため、片側顔面痙攣と同様に聴力障害が出る可能性があり、手術中に、聴性脳幹反応(ABR)といって、聴力のモニターを行います。

③術後経過観察:三叉神経痛は、手術直後から消失する患者さんが多いですが、少し痛みが残り、しばらくしてから痛みが消失する患者さんもおります。

脳の病気にならないように、予防できる脳血管障害

脳卒中(脳血管障害)の予防  脳の予防医学は脳ドック

くも膜下出血の予防

くも膜下出血発症者の3分の1は死亡または重度の後遺症を残し、3分の1は自立して社会復帰可能ですが、残る3分の1はやはり後遺症で生活が自立できないと言われております。くも膜下出血のほとんどは、脳動脈瘤の破裂が原因です。破裂しやすさには、大きさ、動脈瘤本体の圧迫による神経症状の有無、動脈瘤が不規則であったり動脈瘤の先に小さいこぶがあるなどの形状、多発性、くも膜下出血の既往、家族歴などが関係すると言われています。脳動脈瘤ができやすいのは、内頚動脈、中大脳動脈、前大脳動脈、脳底動脈などの太い血管の分岐部です。これらの血管は、脳の周りにある3枚の膜、外側から硬膜、くも膜、軟膜のうち、くも膜と軟膜の間のくも膜下腔にあり、ここにできた脳動脈瘤が破裂してくも膜下出血となります。動脈瘤からの出血は、動脈瘤の周りに出血した血液が固まり動脈瘤の出血部位が周辺の脳に押さえられて止血されますが、反対側や脳の表面のくも膜下腔まで広範に出血が広がって脳圧が上昇すると、脳全体の圧迫と脳血流低下により、重症くも膜下出血となり意識レベルの低下をきたします。くも膜下出血は、重症化する可能性が高い病気で、全体の1/3は死亡または重度の後遺症を残すと言われています。脳動脈瘤破裂の予防として、何かできるでしょうか。

磁場の強い高精度の3テスラMR検査では、少しずつ角度を変えたMRアンギオ画像を左右に並べて立体視することで、脳動脈瘤はほぼ見落されることなく診断されます。脳動脈瘤の確定診断や形状の確認、動脈瘤周囲の血管の走行などをみるためにMRの次に行う検査が3DCTアンギオです。未破裂脳動脈瘤が発見された場合、脳ドック学会では、脳動脈瘤の最初の発見から数か月以内の3DCTアンギオやMRアンギオの再検により、脳動脈瘤の増大がないことの確認を推奨しています。

脳動脈瘤発生のメカニズムが解明されていないため、脳動脈瘤発生の予防はできませんが、脳動脈瘤破裂の予防は重要です。くも膜下出血は1万人にひとりの割合で発症し、未破裂脳動脈瘤の破裂率は年間約1%と言われていますので、100人に一人が未破裂脳動脈瘤をもっているという計算になります。脳動脈瘤の破裂の予防は、未破裂脳動脈瘤がみつかった段階で、できるだけ破裂しないような工夫をすることと、脳動脈瘤クリッピング術または血管内治療による脳動脈瘤塞栓術を受けることです。クリッピング術は、特殊な脳動脈瘤でない限り確立された手術法です。血管内治療のコイル塞栓術は、開頭のいらない低侵襲な治療ですが、新しい治療なので長期予後、根治性についての報告も様々で治療後の経過観察が推奨されています。治療を受けずに経過観察する場合、まず破裂のリスクファクタ-と言われている喫煙をやめて、大量の飲酒を避け、血圧の厳重なコントロールを行い、血糖や高脂血症に注意しなければなりません。それによって、100%破裂を抑えられるわけではありませんが、破裂予防に効果があるとされています。破裂しやすさは、脳動脈瘤の大きさ(5mm以上かどうかなど)、形状(小さなふくらみなどがないかどうかなど)、症候性かどうか(動眼神経麻痺など)、発生部位などが関係すると言われており、我々は、各症例毎に患者さんと患者さんのご家族と治療の適否と診断後の方針について、よく相談するようにしております。

実際に未破裂脳動脈瘤の治療を受けた人の割合が多いのは、大きさが5mmから10mmの間の動脈瘤を持つ人で、破裂リスクと手術リスクのバランスの結果と言えます。

脳梗塞 手術なしで予防

手術せずに内科的治療での脳梗塞の予防は、心房細動などの心原性脳梗塞を除くと、以下の2つが代表的なものと考えられます。(心房細動による心臓血栓による塞栓の予防には、抗凝固薬が必要です)

1、MRアンギオや頸動脈エコー検査などで内頚動脈や中大脳動脈などの脳主幹動脈の狭窄や閉塞が認められたものの、狭窄率が50%以下であったり、脳血流SPECT検査での血流低下が軽く手術適応が無い場合には手術はせずに、狭窄悪化の予防して、血行力学的脳梗塞や脳塞栓を予防します。 ⇒⇒⇒⇒⇒ 狭窄の程度が強い場合やTIAや梗塞の既往がある場合は、抗血小板薬が必要であり、動脈硬化の危険因子となる糖尿病・高血圧・脂質異常症などの厳しいコントロールと禁煙・食事療法・運動療法などを併用して、脳血管の狭窄や脳循環予備能が悪化していないか、経過観察してゆきます。

2、細い脳血管の狭窄や閉塞を原因とするアテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞の予防が必要です。 ⇒⇒⇒⇒⇒ 1と異なる点は、血管の狭窄率や脳循環予備能検査などによる脳梗塞発症の指標となるものが無い事です。そこで、脳梗塞発症と関連があると報告されている頚動脈エコー検査のプラーク(血管壁の内側を形成する内中膜複合体が厚くなり、厚さ1.1mm以上の部分)とMRI白質病変(FLAIR画像でみられる脳室周囲や深部白質の高信号)について、脳内の細い血管が原因の脳梗塞発症例、約300例の解析を行いました。頸動脈プラークとMRI白質病変の平均値をCI(cerebral infarction)ポイントと定義して示しますと、プラークスコア:8.2 mm、プラーク数:5 個、max IMT:2.6 mm、脳室周囲白質病変グレード:1.9、深部白質病変グレード:2.1となりました。このCIポイントを細い血管を原因とする脳梗塞発症の指標として、動脈硬化の危険因子に対する内科的治療など総合的治療を厳しく行って、脳梗塞発症の一次予防を目指していただきたいと思います。

脳ドック受診者で脳梗塞未発症者にも、頚動脈プラークやMRI白質病変がCIポイントに達していたりCIポイントを超えた方がいますが、発症者と未発症者との大きな違いは、脳梗塞発症者は、プラークと白質病変の両方が悪いということでした。プラークが示す太い血管の動脈硬化性変化と白質病変が示す細動脈の動脈硬化の両方が脳梗塞発症に相関があり、両方を指標にすることでCIポイントとしての重要性が増すものと考えられます。
治療は、内科的総合治療の結果が予防へとつながりますが、降圧剤にはAngiotensin type 1 receptor blocker (ARB)、脂質異常症にはスタチンやイコサペント酸(EPA)など、抗炎症作用ももつ薬の併用も検討し、結果として採血データや血圧データの正常化を目標といたします。
予防を考える上での検査結果の見方の具体的対策として、脳ドック受診者1517例の解析を行いました。頚動脈エコー検査でプラークがみられない両側正常例850例、片側のみに認めた片側プラーク症例350例、両側に認めた両側プラーク症例317例となりました。そして、収縮期、拡張期血圧、血液検査(空腹時血糖、HbA1c, 総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪)、喫煙歴(過去の喫煙と現在の喫煙)、これらすべての項目の値は、プラークが、正常、片側、両側と増えるにしたがって、正常範囲内でも上昇傾向(HDLは下降傾向)であることがわかりました。このことから、検査値の目標は検査の正常範囲のぎりぎりではなく中央値に近づくことを目標として危険因子の治療を行い、動脈硬化を予防し、脳梗塞を予防してゆきたいと思います。同じ動脈硬化の病気として、最近では合併率が高いとされる、心筋梗塞の予防もめざし、同様に努力することが重要です。

脳梗塞 手術で予防

脳梗塞予防の外科的治療は、内頚動脈狭窄に対する内膜剥離術(または、血管内治療によるステント留置術)と内頚動脈閉塞や中大脳動脈の狭窄・閉塞に対する浅側頭動脈―中大脳動脈吻合術が頻度の高い血行再建術です。

一過性脳虚血発作(TIA)や軽症の脳梗塞の原因が、頚部内頚動脈の狭窄である場合は50%以上の狭窄、症状がない場合でも60%以上の狭窄の場合頸動脈内膜剥離術を行った上で内服治療を継続する方が、内服治療単独に比べて脳梗塞再発率が低いとされております。内膜剥離術とは、全身麻酔下に、内頚動脈の狭窄部位を露出し、狭窄部の中枢側から末梢側にシャントチューブを入れてチューブを介して血液を流して脳への血流を維持し、手術中に脳梗塞にならないようにします。次に、頚動脈の狭窄部を縦に切開して、肥厚した内膜全体を剥がしとり、石灰化を伴った肥厚なども血管壁外側の外膜を損傷しないように慎重に剥離して取り除きます。内膜剥離面の不整な部分もできるだけ剥がしとって滑らかにして、最後に切開した血管壁をナイロン糸により連続縫合いたします。術中にICG(蛍光色素)による血管撮影やドップラー血流計により血流がよく保たれていることを確認し、血栓形成傾向がないことも確認したら閉創し手術を終了します。脳卒中ガイドラインに従い、内膜剥離術を第1選択とし、一側閉塞後の反対側狭窄や、高位狭窄(下顎骨に病変が近く手術が困難な場合)などは、血管内治療にしております。

次に、内頚動脈や中大脳動脈が動脈硬化によりすでに閉塞してしまった場合です。既に閉塞しておりますので、内膜剥離術はできません。また、脳梗塞を既に発症し後遺症が強い場合も予防という目的が小さいので、手術適応はありません。閉塞しても後遺症が全くない場合やあっても軽度の場合は、再発して重度の後遺症を来さないように浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術による血行再建を行う適応を検討いたします。安静時脳血流の低下と脳循環予備能10%以下が手術適応の基準ですが、術前の高次脳機能低下も加味して、患者さんとご家族とよく相談した上で、実際に手術を行うかどうか決定しております。手術は頭皮下の直径2-3mmの浅側頭動脈と脳表の直径約1mmの中大脳動脈の端側吻合を行いますが、こちらの手術も吻合後術中ICG血管撮影やドップラー血流計により吻合後の血流がよいことや早期血栓形成のないことを確認して手術を終了します。
動脈硬化が進行し、太い主幹動脈の狭窄や閉塞となった場合は、脳梗塞発症や再発の予防のために上記のような手術を検討し、積極的に抗血小板薬や、危険因子の高血圧・糖尿病・高脂血症の薬の内服も検討して脳梗塞とならないような最大限の努力が必要です。

脳出血の予防

脳ドックは予防医学として、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血などの脳卒中を予防するために重要と考えられるようになってきました。3疾患全体を100としますと、脳梗塞は約75%、くも膜下出血7%、脳出血は18%です。脳動脈瘤の早期発見により動脈瘤破裂によるくも膜下出血を予防し、動脈硬化の進行を抑えて脳梗塞の発症を予防します。では、脳出血はどのように予防するでしょうか。脳出血の発症は、男性は60歳台に、女性は70歳台にピークがあり、全体で8割以上が高血圧性の脳出血です。脳出血患者入院時の平均血圧は約180mmHgであり、脳出血の最大の危険因子は高血圧です。したがって、健康診断などで高血圧と診断され、降圧剤を内服して収縮期血圧を140mmHg以下に保つようにしていれば、高血圧性脳出血は予防できるものと考え、動脈硬化症による脳梗塞や心筋梗塞を予防することにもなるわけです。高血圧性脳出血発症者の半数は、降圧剤内服による治療を受けており、内服していてもコントロールが不良であれば、脳出血を発症してしまいます。
高血圧以外の脳出血の原因は、脳動静脈奇形、海綿状血管腫、静脈性血管腫、アミロイドアンギオパチーなどがあり、発症した場合にはそれぞれ症例毎に、手術の適応や治療を検討する必要があります。脳出血を来す前に発見された場合には、保存的治療を行い、手術の必要性を熟考する必要があります。